中央区
能に親しむ会

東京都中央区 後援
2024(令和6)年6月23日(日)開催

能の写真を見る CHUO NOH FESTIVAL, TOKYO
June 23rd, Sun. 2024
National Noh Theater
能『船辨慶』前シテ 観世流能楽師 中村裕 能『船辨慶』 シテ 観世流能楽師 中村 政裕
  写真は観世流能楽師 中村 裕
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能『船辨慶』前シテ 観世流能楽師 中村裕 能『船辨慶』 シテ 観世流能楽師 中村 政裕
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能『船辨慶』後シテ 観世流能楽師 中村裕 能『船辨慶』 シテ 観世流能楽師 中村 政裕
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能『菊慈童』あらすじ

能『菊慈童』(きくじどう) まとめ

  • 五番目物、唐物(中国の故事や歴史に取材した作品)、略脇能
  • 今から1800年ほど前の、中国の三国時代 魏の初代皇帝の頃の話
  • 旧暦9月(9月下旬から11月上旬)頃、菊の花が咲き乱れる山の奥で、その当時よりも大昔(およそ1000年ほど前)の帝に使えた子供の仙人に出会う。
  • 菊の葉や花は、摂取すると体の不調に効く場合があることは古くから知られていた。
  • 世阿弥の作品 能『養老』と同様に薬水・霊水が用いられ、不老不死という人間の普遍的な願いを表現。現代の考え方に置き換えれば、年齢にかかわらず心身ともに健康で、いつまでも若々しく過ごすことに通じる。
  • 作者は不明だが、世阿弥の活躍より前の時代に室町幕府との密接な関わりを持つ知識人を中心に編纂され、三大将軍足利義満らによって修訂されたと言われている『太平記』が題材
  • 中央区能に親しむ会の三十五周年を記念した、おめでたく楽しいお祝いの曲(祝言能/しゅうげんのう)

能『菊慈童』 あらすじ

魏の文帝*1に仕える勅使(廷臣*2/ワキ)が、勅命*3を受けて薬水*4の水源を探りに酈県山*5に行きます。

その山奥の菊*6の咲き乱れた秘境に、慈童(シテ)という童顔の仙人がいました。慈童は太古の周の穆王*7に仕えていた者で、王の枕をまたいだ罪でこの山に流されました。その時に、法華経*8の偈*9を枕に書いて賜ったので、その妙文を菊の葉にうつして流れに浮かべると、葉から滴るしずくが不老不死の薬となり、それ以来慈童は数百年間、年を取らなかったのです。

慈童は勅使の前で楽しげに舞を舞い、帝に長寿を捧げて祝福の言葉を述べます。

*1ぶんてい
文帝    
今からおよそ1,800年ほど前の、中国 三国時代 魏の初代皇帝。『三国志』で有名な赤壁の戦いで、(後に建国される呉の)孫権と(蜀の)劉備に敗れた、(魏の)曹操の子。紀元前ではなく、邪馬台国や卑弥呼について記されている魏志倭人伝の「魏」。
*2ていしん
廷臣
朝廷・宮廷に仕え、官に任ぜられた臣。
*3ちょくめい
勅命
帝の命令
*4薬水飲めば病が治り、長寿となると言われる水
*5れきけんざん
酈県山
現在の、中国 西安市(諸王朝で長らく首都であった長安のあった場所)から東に25km離れたところにある山。北麗に秦の始皇帝陵があると言われており、北西麓の温泉には唐の時代の皇帝が楊貴妃のために建てた宮殿がある。西安は日本の広島市とほぼ同じ緯度にあり、北京から900km余り離れている。東京から福岡までより少し遠い程度の距離。
*6中国原産。2000年以上前から薬用や食用として栽培されてきたと言われている。
日本に8・9世紀頃に伝わり、平安時代以降に観賞用として栽培されるようになった。
*7ぼくおう
穆王
紀元前10世紀頃にあった中国 周の第5代皇帝。神話、伝説の要素を多く含む中国最古の旅行記である全6巻の歴史書『穆天子伝(周王遊行)』に穆王の伝記が記されている。厳しい刑法で社会の安定を図ろうとしたが、覚えきれないほどの数の多い罪状のために諸侯や民衆の反感を買った。
*8ほけきょう
法華経
大乗仏教の代表的な経典。
*9
仏の功徳(恵み、ご利益。または、世のため、人のためになるよい行い。)をほめたたえる詩。

能『菊慈童』 背景

作者不明
題材太平記
場面中国 酈県山 山奥
季節秋(旧暦9月)
分類五番目物、唐物、略脇能

能『菊慈童』 写真・浮世絵

能『菊慈童』観世流能楽師 中村裕
耕漁『能楽図絵』前編上 能『枕慈童』
(国立国会図書館デジタルコレクションより)
『能楽図絵』については、観世流能楽師中村裕公式サイトにてより詳しく紹介しています。
(観世流 能『菊慈童』は、他の流派では『枕慈童』と呼ばれており、観世流『枕慈童』とは異なります。)

能『菊慈童』装束・面・作物

シテ 装束

シテ
菊慈童
観世流能楽師 中村裕
かぶりもの
冠り物
おもて
慈童または童子
かはつ
仮髪
黒頭
鉢巻黒地金緞鉢巻
(緞:厚くてつやのある絹織物)
白・赤 または 白・浅黄
うわぎ
上着
唐織 または 縫箔
きつけ
着附
はっぴ
法被 または 唐織 壺折
(壺折:裾を腰まであげをしたようにくくり上げて、内側にたくしこんで着ること)
はかま/もぎ
袴/裳着
半切
腰帯縫入腰帯
菊葉団扇
能装束の例(写真)をご覧になりたい際には、独立行政法人日本芸術文化振興会文化デジタルライブラリーにてご参照下さい。
ワキ 装束
ワキ
勅使
福王流能楽師 村瀬 提
冠り物唐冠
鉢巻赤地金金緞鉢巻
上着あわせかりぎぬ
袷狩衣
着附厚板
袴/裳着白大口
腰帯繍紋腰帯
男扇
能装束の例(写真)をご覧になりたい際には、独立行政法人日本芸術文化振興会文化デジタルライブラリーにてご参照下さい。
作物
菊籠附一畳台

菊籠附藁屋(色蔦絡む)

出典 観世流謡曲百番集

参考

枕慈童』- 耕漁『能楽図絵』前半 上(松木平吉, 1901)
(→ 「国立国会図書館デジタルコレクション」)

耕漁『能楽図絵』は、国立国会図書館デジタルコレクションの規定に則り、掲載しています。

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