中央区
能に親しむ会

東京都中央区 後援
2024(令和6)年6月23日(日)開催

能の写真を見る CHUO NOH FESTIVAL, TOKYO
June 23rd, Sun. 2024
National Noh Theater
能『船辨慶』前シテ 観世流能楽師 中村裕 能『船辨慶』 シテ 観世流能楽師 中村 政裕
  写真は観世流能楽師 中村 裕
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能『船辨慶』前シテ 観世流能楽師 中村裕 能『船辨慶』 シテ 観世流能楽師 中村 政裕
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海岸 能『船辨慶』 シテ 観世流能楽師 中村 政裕 能の写真を見る 能『船辨慶』 『能楽図絵』 月岡耕漁 能『船辨慶』 シテ 観世流能楽師 中村 政裕 能の写真を見る 能『船辨慶』 後シテ 観世流能楽師 中村裕 能『船辨慶』 シテ 観世流能楽師 中村 政裕
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能『船辨慶』後シテ 観世流能楽師 中村裕 能『船辨慶』 シテ 観世流能楽師 中村 政裕
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能 『船辨慶』 あらすじ

能『船辨慶』ふなべんけい まとめ

  • 四番目物、雑能(神・男・女・鬼のどれでもない異類がシテとなる能)
    観世信光(1450-1516)作、古くから人気のある演目
  • 複式夢幻能(むげんのう) – 前シテと後シテが異なり、所縁のある場所にいるワキの見る夢や幻の能。(←→現代能)
  • 前半は、源頼朝に命じられた兵たちに追われて鎌倉から西国に逃げなければならない源義経一行に静御前が会いに行くが、惜しみながら離別する
  • 後半は、壇ノ浦の戦いで討たれて、幽霊となっても義経に立ち向かおうと平知盛や平家一門を、弁慶が鎮魂する
  • 前シテと後シテが全くの別人物の演目で演出も全く異なる。通常同一人物がどちらも務め、第37回の当会は中村政裕が務める

能『船辨慶』あらすじ

源義経*1(ツレ)が兄頼朝*2に無念にも疑いを持たれ、辨慶*3(ワキ)とその他の家来を従えて、鎌倉から西国に逃れようと摂津尼ケ崎の大物浦*4に到着しました。辨慶は静御前*5(前ジテ)が来たのを知り、この先、女性が同道するのは困難と進言し、義経もやむなく同意して、静は都に戻ることになります。
別離の酒宴で、静は別れを悲しみながら舞を舞い、義経の未来、再会を祈り、涙にくれて義経を見守ります。

ーーー中入ーーー

その後、義経は船出を延期しようとし、辨慶が押し切って出船させましたが、俄かに暴風に見舞われ船が荒波にもまれると、不思議や会場に西国で滅びた平家一門の怨霊が現れ、中でも総大将だった知盛*6(後ジテ)の幽霊が義経を海に沈めようと斬ってかかりました。辨慶は数珠を押し揉んで必死に祈禱し、ついには怨霊のほうが負けて、引く汐と共に明け方には消え失せました。
前半には悲哀美*7、後半には淒荘美*8があり、変化に富む劇的な曲です。

*1源義経 (1159-1189)
平安末期・鎌倉初期の武将。義朝の九男。母は常盤(ときわ)御前。幼名 牛若丸。
能では子方やツレが務める。
不遇な人や弱い者に対する同情や贔屓の気持ちを表す判官贔屓(ほうがんびいき)という言葉は、源頼朝の命に反して、後白河法皇から検非違使(けびいし/違法を検挙するために設けた官) 左衛門少尉(さえもんのじょう/日本の律令制下の官職のひとつで、左衛門府の第三等の官職)に任命された義経のエピソードに由来する。判官とはは尉の別称
*2源頼朝 (1147-1199)
鎌倉幕府初代将軍。義朝の三男。母は由良御前(義朝の正室)。
*3辨慶(弁慶) (?-1189)
平安末期・鎌倉初期の僧。武蔵坊弁慶。熊野の別当(親王家・摂関家・大臣家・社寺などの特別な機関に置かれた長官。特に、検非違使庁長官)の子(参照:義経記・吾妻鏡・平家物語)。
*5静御前 生没年未詳
源義経の側室。母は磯禅師。元白拍子(平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて流行った歌舞を務める遊女)。
*6平知盛 (1152〜1185)
平安末期の武将。平清盛の四男。壇ノ浦の合戦での平氏の総大将。源頼政を宇治で、源行家を播磨 室山で破った。一ノ谷の戦いで奮戦し、のち、壇ノ浦の戦いで入水。
*7悲哀美
悲劇性の中にあるさを伴って現れる美
*8淒荘美
非常に悲しく、いたましい姿に現れる美
*4だいもつのうら
大物浦 現在の兵庫県尼崎にある大物主神社あたり

大物主神社, 昭和東本町線;大物線, 東本町三丁目, 尼崎市, 兵庫県, 660-0823, 日本

能『船辨慶』背景

作者観世小次郎信光
題材義経記「義経都落ちの事」「住吉大物二ケ所合戦の事」、平家物語
場面せっつ だいもつのうら
摂津国 大物浦 / 瀬戸内海 大物浦の沖
季節秋 (現在の11月)
分類四番目物・雑能、働物

能『船辨慶』写真

能『船辨慶』前シテ 観世流能楽師 中村裕
能『船辨慶』前シテ 観世流能楽師 中村裕

能『船辨慶』前シテ 観世流能楽師 中村裕

能『船辨慶』前シテ 観世流能楽師 中村裕

能『船辨慶』後シテ 観世流能楽師 中村裕

能『船辨慶』後シテ 観世流能楽師 中村裕

能『船辨慶』後シテ 観世流能楽師 中村裕

能『船辨慶』後シテ 観世流能楽師 中村裕

撮影 檜書店 『観世』撮影部 / 前島写真店

能『船辨慶』浮世絵

耕漁『能樂圖繪』 前編 上

(国立国会図書館デジタルコレクションより)
能楽図絵』については、観世流能楽師中村裕公式サイトにてより詳しく紹介しています。

耕漁『能楽百番』

(シカゴ美術館 より 能『船辨慶』白波の伝(金剛流))

能『船辨慶』登場人物・装束

  前シテ
しずか
静御前
後シテ
とももり
知盛の
怨霊
ツレ
源義経
ワキ
むさしぼう
武蔵坊
べんけい
辨慶
ワキツレ
義経の
従者
中村 政裕 中村 政裕 荻原 郁也 村瀬 慧 村瀬 提
矢野 昌平
冠り物 ものぎ
物着に
しずかえぼし
静折烏帽子
  なしうち
梨子打
えぼし
烏帽子
ときん
兜巾
しゃもん
(沙門帽子にも)
梨子打
烏帽子
仮髪

小物
かづら


いろいり
かずらおび
紅入鬘帯

くろがしら
黒頭
くわがたつき
(鍬形附)

くろじきんたん
黒地金緞鉢巻

 

白鉢巻
(紅梅色にも)

 

 

白鉢巻

能面 わかおんな
若女
または
ふかい
深井、
こおもて
小面
みかづき
三日月
または
あわおとこ
淡男
たか
     
上着

どうはく
胴箔

はっぴ
法被
もぎどう
(裳着胴にも)

そばつぎ
側次
または
はっぴ
法被

みずごろも
水衣
そばつぎ
側次
着付

小物

すりはく
摺箔

いろいり
からおり
紅入唐織

えり

白・赤
又は
白二

いろいり
あついた

紅入厚板
または
いろなし
無紅唐織


はなだいろ
白・縹色

しゅうもん
繍紋腰帯

厚板唐織


繍紋腰帯

厚板

すずかげ
篠懸


繍紋腰帯

厚板


縹色

繍紋腰帯



もぎ
裳着
  はんぎり
半切
おおくち
白大口
白大口 白大口
鬘扇   神扇 山伏扇 男扇
 小道具

 

たち
太刀

なぎなた
長刀

太刀

こがたな
小刀

いらたか
刺高数珠

小刀

 間狂言


船頭
三宅 近成

 作物 舟に棹

小物は、分かりやすさを優先して、関連のある箇所に並列に記載しています。

繍紋(ぬいもん)・・・染めることではなく、縫う過程を経て家紋を入れること
抜き紋、染め紋のほうがより格式が高い
緞子(どんす)・・・厚みがあって光沢がある繻子(しゅす)の絹織物

出典 檜書店『観世流謡曲百番集』

参考

船辨慶』- 耕漁『能楽図絵』前半 上(松木平吉, 1901)
(→ 「国立国会図書館デジタルコレクション」)

船辨慶』ー 耕漁『能楽百番
(→「シカゴ美術館」)

耕漁『能楽図絵』『能楽百番』は、国立国会図書館デジタルコレクションシカゴ美術館の規定に則り、掲載しています。

能『船辨慶(船弁慶)』 ― 『能舞之図』、狩野柳雪『能之図』、『観世座能狂言写生帖』、川端玉章『能狂言』、有年『能画巻物』など、他多数
→ 「文化デジタルライブラリー
(運営 独立行政法人日本芸術文化振興会)

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