浮世絵に表現された能

明治時代から大正時代にかけて活躍した浮世絵師・日本画家である月岡 耕漁(つきおか こうぎょ (1869-1927)、以下、耕漁)は、能版画家としても知られています。250番あると言われている能の番組全てを描こうとした『能楽図絵』(能樂圖繪)は、当時の能舞台での上演中の一瞬を、シテを中心に生き生きと、水墨画のようなタッチで細部は繊細に、時には自由で大胆な構図で表現している見ごたえのある作品であり、今日ほど写真が普及していない時代であったにもかかわらず、写実的な描写も秀逸です。前後編上下の計4冊で構成されています。奇しくもこの作品は、平成30(2018)年と同じ干支の戊戌(つちのえ いぬ)であった明治31(1898)年に制作されました。耕漁は、他にも、『能楽百番』や『能楽大鑑』という能に関する作品を残しており、時を超えて鑑賞を深められる芸術作品でありながら、非常に役立つ資料と言えます。

現代において、能楽師が日常的にこのような作品を閲覧・鑑賞するというわけではございませんが、能がお好きな皆様には、国内外に現存する120年前のこの作品も、私共の実際の舞台や、上演の様子を描写した写真と並行して、ご観覧頂ければ幸いです。長年ご協力を賜っている能楽写真家の方々が撮影された私共の舞台の様子を合わせてご鑑賞いただき、実際の上演に足をお運び頂ければ誠に光栄でございます。

能の上演中の撮影は、経験を積まれた「能楽写真家」にのみ許可されており、観客の皆様には録音も含めてお断り頂いています。一人のシテ方能楽師が、同じ演目に何度も取り組むことはあまり多くありませんが、近年の上演を中心に今後も公開して参りますので、鑑賞された上演を思い出されながら、ご鑑賞下さい。

 

中村裕 写真 そして、耕漁『能樂圖繪』前編 下 (出版 松木平吉, 1898年) / 国立国会図書館 蔵
能『海士』 能『高砂』 能『錦木』
 第31回 中央区能に親しむ会
平成28年7月10日(日) 上演
 第30回 中央区能に親しむ会
平成27年7月5日(日) 上演
 第29回 中央区能に親しむ会
平成26年7月13日(日) 上演
能『海士』観世流能楽師 中村裕

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能『高砂』 観世流能楽師 中村裕

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中村裕 撮影 前島吉裕 [ 前島写真店 ]

 

耕漁『能樂圖繪』前編 上下・後編 上 (出版 松木平吉) / 国立国会図書館 蔵
前編 上 目録 前編 下 目録 後編 上 目録
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前編 上 付録 前編 下 付録 後編 上 付録
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耕漁『能楽図絵』は、
国立国会図書館デジタルコレクションの規定に則り
掲載しています。

* 後編 下は存在しますが、著作物の非オーナーが各自のWebサイトで公開できる方式では公開されていません。


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